人工膝関節形成術とは、変形性膝関節症の症状が著しく進行を見せた場合に多く用いられる手術法です。またこの手術では、膝の表面の傷みきった軟骨を取り除いてから人工関節をかぶせます。つまり人工のもので骨を再生させる方法です。
この方法を取ると変形性膝関節症の痛みが無くなり、また膝の変形も解消されます。また術後の膝の曲がり度合いについては、110度から130度程度となりますので、椅子を使用した生活スタイルが推奨されています。
変形性膝関節症で使用される人工関節には多くの種類があります。インプラントでも使用されるセラミックやチタン製のもの、コバルト合金などがあります。この中でセラミックは磨耗が起こりずらく、また緩みの発生にも強いという特徴があります。また強度も高く、金属とほぼ同等です。
また現状、外国製のものが多いのが実情で、そのサイズからなかなか選択肢が多くならないと言われていますが、大学などでの研究によって、日本人の膝にマッチしたすぐれた素材のものもいくつか登場しています。
手術が終われば、リハビリが待っています。また特に変形性膝関節症の場合は膝を短期間でも動かさないでいるとすぐに膝が硬くなってしまいますので、術後できるだけ早期に変形性膝関節症のリハビリを開始するようにケアを行います。
人工関節の具合を確かめながら、太股の鍛錬をし、ゆっくりと歩行のレベルを上げて変形性膝関節症を改善していきます。特に始めのうち、多少の違和感が伴います。痛みも出る場合がありますので、できるだけ慣れていくことが大切です。
またゆるみも起こりやすく、長い年月膝を使用することで、自然な骨との間にゆるみが出ることが大きな課題と言われています。長くても20年と言われる素材も多く、最低でも毎月一回の検査を受け、悪いところがあればすべて治すように指示されます。
その他、人工関節が入った部位に感染による化膿が起こる場合もあります。この場合はせっかく入ったものを取り出さなければなりませんので、変形性膝関節症でこういった手術を行う際には細心を払わなければなりません。